昨日に引き続き、NGOアフリカ友の会 徳永瑞子さんから第4回目のレポートです。

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クリスマスが近づいてまいりました。
アフリカの子どもたちは、プレゼントを楽しみにクリスマスがくるのを指折り数えて待っていることでしょう。子どもがクリスマスを待ちわびる喜びとは裏腹に、大人たちはクリスマスが近づくにつれて心が重くなるようです。

父親たちは、子どもたちにプレゼントを買うお金の工面に苦慮して奔走するのです。給料の前借りを申し込みに来る職員からは、悲壮感が漂いため息が聞こえます。自分の子どもの分だけではなく、失業している兄弟の子どもたちつまり甥や姪の分までプレゼントがいると嘆きます。
男の子はサッカボール、女の子は人形をもらうのを楽しみにしています。

12月に入るとスーパマーケットには、クリスマスプレゼント用の玩具類が並べられます。露天商が、キリスト降誕の「馬小屋」を造って路上に並べます。「馬小屋」の屋根には雪が積もっています。白い発泡スチロールを小さく刻んで振りかけ雪の雰囲気が良く出ています。
しかし、雪を知っている子どもたちがどれくらいいるのかなあと首をかしげてしまいます。

カトリックの宣教師が、ウバンギ川をさかのぼり首都バンギに上陸してから約110年です。この間に、カトリックはだんだん土着化してきたように思います。ミサでは、聖歌を手拍子で歌ったり、踊ったりします。ヨーロッパの人々が、これはカトリックですか?と驚くほどにぎやかなミサです。
エレキギターと太鼓(タムタム)の伴奏で、手拍子をしながら、体全体でリズムをとりながら大声で歌うのですから、厳粛なミサのイメージは全くありません。
しかし、心の底から喜びが溢れて神を賛美するという雰囲気が教会に満ちあふれ、信仰心を高揚させます。
ミサが終わり、教会から出てくる人々はみな笑みを浮かべて幸せそうに見えます。パリで教会のミサに行くと、ミサに来ているのはほとんどが高齢者で、ただ黙って心の中で祈っているのでしょうか、厳粛と言うより、私にはとっても寂しいミサにしか思えません。

アフリカではカトリックは、土着化し信者数を増やしています。
信者が増えているのは、信者がたくさんの子どもを産むから自然増加しているのかも知れません。
しかし、クリスマスの「馬小屋」はヨーロッパから輸入されたままで、「馬小屋」の屋根には、雪が積もっているのが滑稽です。ヨーロッパに対するせめてもの思いやりかも知れません。
※写真は、クリスマスを待つ子どもたちです。


アフリカ友の会   徳永瑞子